春が来たら、桜の花びら降らせてね
「最初の頃は、確かにそうだったかもしれない。でも今は冬菜のことをひとりの女の子として好きになったから、笑顔にしてやりたいと思ってる」
迷いなんてない。
時々、罪悪感と体裁、後悔に自分の気持ちを見失いそうになるけれど、この想いはきっと小学生の時から俺の中にあった。
嘘偽りない、冬菜への恋心だ。
「夏樹は、本気でふゆにゃんラブなんだね」
「っ……否定はしねーよ」
この気持ちからは、逃げたくなかった。
ただ、正直に言ってすぐに、恥ずかしさがこみ上げてきた俺は、頬を掻きながら視線をさ迷わせる。
「「熱いねぇ」」
誠と琴子が声をそろえて、俺をニヤニヤと見た。
こいつら……俺をからかって楽しんでんな。
いつもそうだ、いつも。
俺は深いため息をつき、琉生に視線を投げて助けを求める。