春が来たら、桜の花びら降らせてね
『ふゆにゃんラブリー大作戦』、始動
【冬菜side】
「……勇気って、どうしたら出るんだろう」
夏樹君から手紙をもらった次の日の昼休み。
私は一人、裏庭のベンチでお弁当を食べていた。
信じることを怖いと思ってしまうこの気持ちを、どうしたら誤魔化せるんだろう。
一人で考える時間が欲しかった私は、お昼を一緒に食べようと言ってくれた琉生君の誘いを断った。
だけど、いくら一人で考えても、悩みは永遠に頭の中でループしていて、答えが見つからない。
「ねぇ、原田地蔵」
そこへ、園崎さんが一人で現れる。
どうして、こんなところに……いつもは取り巻きも一緒なのに。
なんにせよ、最悪だ。
今度は何をいちゃもん付けられるかわかったもんじゃない。
私はベンチに座ったまま、無言で園崎さんを見上げ、いつでも逃げられるようお弁当を畳み胸に抱えた。