キミに捧げる愛の言葉
1章
バスケ部
桜が舞う春の季節。
窓から眺めると、そこは桃色で埋め尽くされた世界。
優しいそよ風に、 瞳を閉じる………
…余裕もない。
「ゆっきなー!」
私の視界は遮られる。
「ちょっ…今ノートとって…」
「ノート?そんなの後で見せてあげるから今はいいでしょ。」
甲高い声とともにパタンとノートは閉じられ、表紙に書かれた“桜田雪奈”が露わになった。
桜田雪菜。
私の名前でもあり、小学校のからかいの原因でもある。
だって、桜は春なのに雪は冬。
いまかんがえたらくだらないこと。
だけど、小学生の男子にはただただおかしかったんだろうな。
「ほらっ体育館いくよ!もう始まっちゃってるんだからー。」
「えー、なんで体育館?」
「部活見学だってばぁー。」
ああ、そんな季節だっけ?
まだこの高校に入学して1ヶ月の私たち。
でも、ほとんどの部活では新入生が入り親睦を深めてる中だと思うけど……
「マネージャーはまだでしょ?
この学校、マネージャーだけは一ヶ月先だから。」
「えー、私マネージャーなんてやるつもりないよ?」