キミに捧げる愛の言葉




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「公式に代入し、このXは3と____」




…さっぱりわからない
どうしてそうなるの?私X、18になったよ。




「おい、桜田意味わかる?」


「…分かんない。」




隣の席の山崎くんは、本当か?とか疑ってくるから、証拠に真っ白のノートを見せる。



すると、



「アッハハ!ははっ!おまっ、真っ白っ」



「山崎うるさい!話を聞け!」



案の定、山崎くんは先生に怒られた。


「そんな笑わなくても…山崎くんのノート見せてよ。」


「俺の?どうぞー!」


意外にもあっさりと渡してくれたノート。
そこには、




「ぐっちゃぐちゃ!山崎くんだって人のこと言えないじゃん。」


「いいんだよ俺は。」


よくない!不公平ー!



「俺、数学嫌いだし。」


「なっ、私なんて数学大っ嫌いだもん!」



シーン


………やっちゃった…

怖くて頭を上げられないけど、わかる。



……みんなの視線が私に注目しているの



「おま、ばっかじゃねーの?」


「…うるさい!」


「…おーまーえーら!いいかげんにしろ!」



……ひっ。こ、こわ…




「桜田のせいだぞー?」

「ひ、ひどっ!山崎くんだって…」


__ゴツン





ん?
突然聞こえる鈍い音。


「いってぇーー!おまっ!……水無月!」




え…水無月くん?

足元を見ると、落ちてるのは正真正銘数学のノートで、表紙には“水無月朝陽”と綺麗な字で書かれている。

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