素直になるのはキミにだけ

不穏なヒカリ

【沙弥side】

_季節は飛ぶようにすぎ、気が付けばもう7月も後半に差し掛かっていた。


インターハイ初戦まで、あと2日。




「はぁ…」




部活前、まだ人がいない体育館であたしは一人ボールの準備をする。




体が熱くて、重い……




「さーやーちゃんっ!やっほー!って、あれ?どした?顔色悪いよ?」




急に目の前に長い長い脚が現れたかと思うと、それは三上センパイだった。



「いえ、大丈夫です……」




部活を早退なんて、できるわけない。


インターハイ間近で、もう一人いるマネージャーは茉夏。とてもじゃないけど任せられない。

それに、あたしは秋本のお世話だってしなきゃならないんだ。



これっぽっちの風邪に、負けてられない。

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