素直になるのはキミにだけ
「はい、これ没収ね」




だがしかし、開いたばかりの出席簿は三上センパイにひょいっととられてしまった。




「ほら、荷物もって!!車で送るから帰るぞ!」




「え、ちょっとセンパイ!」




三上センパイは強制的にあたしをおぶり、あたしの荷物を持って体育館を出た。




「…誘拐」




「うるさい。沙弥ちゃんが頑固なのが悪いんだよ」




「蒼士パイセン、うぃーっす…って沙弥ぴょん!?なんで!?なんでおぶられてんの!?」



体育館を出たところで部長に遭遇したけど、もはや会話をする気力すらなくなってしまったあたしはもうろうとする意識で抵抗するのをやめた。




「秋、本…」




だめだ、だるい。


まぶたがだんだん閉じてきて、あたしはそのまま眠ってしまった。

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