素直になるのはキミにだけ
仕方がない。そんな気持ちであたしは一階のリビングに三上センパイを案内した。



「ひょえー、ひっろい!!沙弥ちゃん実はお金持ち?お嬢様?だから礼儀正しいの!?あ~、納得!!」


「…自問自答して結局自分で完結させるのやめてくれませんか。」




別にあたしはお嬢様でもなければ、礼儀正しくもない。



ただ、思っていることが顔に出ないタイプなだけ。

みんなはあたしが何を考えているかわからないらしい。



……あたしのことを分かってくれるのは、家族と、茉夏と……秋本だけ。




「よいこらせっと!うぉっ、このソファやわらけえ!!!!」


「……ソファに飛び乗るなんて行儀が悪いですよ」



いい大人のくせして、あたしみたいな高校生に叱られていいのだろうか。



「お茶入れてくるので、普通に座って待っててください」


「おかまいなく~!あ、でもコーヒーよりジュースの方が好き!」



……矛盾してるよ。

< 198 / 313 >

この作品をシェア

pagetop