素直になるのはキミにだけ
「じゃあさ、もしも蛍人が明日いなくなったら?」



……秋本が、いなくなったら。




胸のあたりをドンッと殴られた気分になった。



“ 沙弥センパイ ” 。そうやってあたしを呼ぶ秋本が、明日からいないなんて…



「いや…です…」



「…………なーんだ。答え出てるじゃん。」



ボソッと呟いた三上センパイの言葉は、あたしには聞き取ることができなかった。



「はいっ、じゃあ第一回・三上センパイの恋愛相談所はこれにて閉店!」



疲れた~、とか言いながらリビングを出て行こうとする三上センパイ。



あたしはそれを、呼び止める。



「三上センパイっ!!」

< 207 / 313 >

この作品をシェア

pagetop