素直になるのはキミにだけ
「ん?」


「恋って……なんですか?」



そう質問すると、彼はにこっと微笑んだ。



「ふふ、その答えはきっと、いつか自分で気づく日が来るよ」




それだけ伝え、三上センパイは帰って行った。




……そして、取り残されるあたし。



「…………意味わかんないっ!!」



“ 恋って何? ” って質問したのに、“ その答えはいつか自覚する ” って、質問の答えになったないじゃん。




あたしは結んでいた髪をほどき、髪ゴムをフローリングにたたきつけた。

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