素直になるのはキミにだけ
「おばあちゃん、今ご飯の支度するね」



「ありがとう沙弥」




あたしはおばあちゃんの部屋を通過してキッチンへ。



「優ちゃん、遅くなってごめん!ごはん…」

「たったいまできましたー!!今日は亮介の好物、焼き肉よ~!!ホットプレートも買ってきたし、さあ運んだ運んだ!!」

「わかった」



なんで夜ご飯がお兄ちゃんの好物かというと、今日は珍しく早く帰ってきたから。


それと、遠く離れたところにいる弟の誕生日を祝ってやるから、らしい。



…あたしも、ほんとうは秋本の誕生日をちゃんと祝ってあげたい。


今までだって、ずっと家族ぐるみでパーティーなんかもやったりしていた。



だけど、今年は……



せめて、夏の大会が終わるまで。

< 252 / 313 >

この作品をシェア

pagetop