素直になるのはキミにだけ
「まったく、亮介にはもったいないくらいのいいお嫁さんだねえ」

「ぶはっ」



おばあちゃんの些細な一言に、お兄ちゃんはお茶を口から吹き出しそうになった。



「お兄ちゃん、汚い」

「ちょっ、だってばあちゃんが!!」



あたしはお兄ちゃんの主張は聞こえないふりをした。



「優羽も優さんに似て美人さんねえ」

「でっしょぉ~!さっすがおばあちゃん、わかってるぅ~!」

「ねえばあちゃん俺は!?俺には似てないの!?」



……幼稚だな、お兄ちゃんも優ちゃんも。



あたしは騒ぐ夫婦を無視し、お風呂場へ向かった。

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