素直になるのはキミにだけ
うん、見やすくていいし、ここからなら下の設備も見れる。


あたしの目的にピッタリだ。



「沙~弥~ぴょ~ん!」



……ん?



呼ばれたような気がして、あたしは視線をコートにうつした。



「…あ」



コートの中で両手を振り、ぴょんぴょん跳ねる長身。そしてあの呼び方…



「響センパイ…」



センパイが大声で、しかも手を振るもんだから、会場中の視線が突き刺さる。



「誰、知り合い?」



隣に座った東堂くんもコートを覗いた。

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