素直になるのはキミにだけ
「ちょっと!!離してよ!!!あたしは試合を見にきたんだから!!!」



長いT大の廊下を、秋本はいろいろな人の視線をシカトして突き進む。


もちろん、あたしの言うことは全く聞いてはくれない。



「ちょっとうるさい、黙ってついてきて」

「はぁ!?」



どこに向かっているのか。それもわからないけど、今どこにいるのかすら分からないあたし。



試合までに戻りたいのに、こいつは…!!



「蛍人!!!」



いい加減にしろ。

そう言おうとした時、後ろから秋本の名前を呼ぶ女の子の声がした。

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