素直になるのはキミにだけ
「なんか用って…もう試合始まるよ?戻ろうよ」



光莉さんは秋本の練習着の袖をきゅっとつまみ、上目遣いで秋本を見つめる。


…これが女子力?

ギャーギャー言い合いしてばかりのあたしとは違う。



「俺、このセンパイに話あるから、光莉は先に戻ってて」



光莉……

あたしは “ 沙弥センパイ ” なのに?


なぜか胸の内側がモヤモヤする。

この気持ちは……なんなんだろう。



「蛍人は試合を見にきたんだよね?」

「そうだけど、ちょっと言っとかなきゃいけないことがあるんだよ」


秋本がそういうと、光莉さんはキッとこっちを睨んできた。


……あたし、なんでこんなにも嫌われているんだろう。


そしてなにより……あの写真は、結局なんなの……?

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