素直になるのはキミにだけ
「ふっ…言うと思った。ってかなんで立ってんの?座んなよ。あ、膝の上でも」

「隣でいい」



あたしはかぶせ気味にそう言って秋本の隣に少し間隔を開けて座った

……はずなんだけど、秋本がすぐにつめてきて肩が触れ合う距離に。



「狭い」

「だってセンパイ離れるんだもん」

「…。」


何を言っても言い返してくる。それがこの男だ。


……しばらく会ってなかったから忘れかけてた。


こいつには、何を言っても無駄。



「……試合」

「何?何が不満?俺が出るわけじゃないんだしよくない?それに……せっかく恋人同士になったのに、あれから一回も話してない」


肩に重い頭がずしっと乗ってきた。

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