素直になるのはキミにだけ

嵐の予感

【沙弥side】

「あ、春風!!お前どこ行ってたんだよ!!」



試合が終わり、シレッと部の席に戻ろうとしたあたし。

当然、無理だったけど。



「…ちょっと、前の学校の子たちに会ってそっちで見てたの」


…なんてのは嘘で、本当はあの男が試合終了5分前まで解放してくれなくて。


せっかくここまで来たのに、見れたのはラスト3分ほどだけだった。


……あーあ、OBの先輩たちにどんな顔して会えばいいの?



「春風~、ガキンチョたち連れて先に出てて~」

「…先生はどこへ?」

「おべんじょ!」

「……。」



聞くだけ無駄だった。


我が部の顧問、寺岡先生。自由さといい、やる気のなさといい、山内先生にそっくりだ。


先生の影響もあって、あたしは転校してもあまり変わらない環境でマネージャーをやっている。

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