素直になるのはキミにだけ

ソファの陰から少し見える薄ピンク色のパーカー。あれはまぎれもない、茉夏のものだ。




「はぁ……茉夏センパイ」




茉夏の肩がびくっとなり、その存在はもう松原くんに完全にばれてしまったらしい。


松原くんが近づくと茉夏は立ち上がり、スマホを背中に隠す。




……それじゃあバレバレだって。懲りないなぁ、ほんとに




「……没収」




「いやあああああ!!やめてえええ!!!」




松原くんはひょいっとスマホを奪い、スッと操作して画像を消していた。

……うっすら涙目の茉夏はガン無視して。




まあ茉夏も、そんなに大事なら画像にロック掛けたりばれないように撮ったりすればいいのにね。



きっと馬鹿だからそんな事考えないんだろうけど


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