素直になるのはキミにだけ
茉夏と松原くんのやりとりを見ていると、不意にTシャツの裾をクイッと引っ張られた。




「せんぱい、ここわかんない」




「……引っ張らないで、伸びるでしょ」




「ここ!教えて?」




秋本は教科書の真ん中らへんを指さした。



本当にわからないのか、と思って解きかけのノートと教科書を照らし合わせると……




「…バカだね、ここはXに6じゃなくて9を代入でしょ?問題文ちゃんと読みなさいよ」




「え、まじで!?」




この男……進級できるのだろうか。

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