素直になるのはキミにだけ

怒ってます

【沙弥side】

合宿の三日目も無事(?)終わり、あたしはGWの課題と戦っていた。



「ねぇ、沙弥センパイ。デートは?約束したじゃん」




「少しくらい待てないの?ってかあんたこそ宿題終わったの?終わってないんでしょ?」




「そんなんは後でいいのー」




「よくないでしょ?馬鹿なの?あたし部屋戻るよ?」




「え、やだ」




合宿明けの貴重な休みの日。あたしはなぜか朝7時から今までずっと秋本の部屋にいる。




「ねぇ、部屋汚いんだけど?」




「あー、こないだ冬馬来た時のまんまだ」




お菓子のごみの袋は落ちてるは、抜け殻のような形で放置されている洋服。絡まったコードやイヤホン。


間取りと家具の配置はあたしの部屋と一緒なのに、全然違うのはここがごみ屋敷だからだろう。




……松原くんも、ちょっとは注意してもいんじゃないかな。


こんな汚い部屋にいたくないだろうに。




「ねえでーとー」




しつこい。




「せんぱーい」




……しつこい!!




「うるさいな!!宿題と部屋の片づけが終わったらね!!!」




あたしはついそう言い切ってしまった。


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