素直になるのはキミにだけ
自分が今言った言葉が頭の中でリピートされる。



「宿題と片付けが終わればいいんだね?今そういったよね!?冗談とは言わせないから!!!」




それからというものの、 “ 俺、本気モードで勉強するから ” といって追い出されたあたし。



……さっきまで部屋戻るなって言ってたくせに、あたしのひとことでこんなにコロッと変わっちゃうんだね。




「あ、センパイ!!」




さっき乱暴にしまったドアが再び開く。




隙間から顔をのぞかせているのは、もちろんあのニヤついた気持ち悪い男の顔。




「今日、夜ご飯作んなくていいから」




笑顔でそれだけ言って、奴は顔を引っ込めた。

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