サザナミ少年少女探偵団Ⅱ
✡魔のGW✡
「うわあああん終わんないよーー!!!」
五年C組の教室に小柳 春亜(こやなぎ はるあ)の嘆きが響き渡る。
世間はGW真っ只中。
春と夏の中間の気候の中、人々が旅行したりして、あちこち混雑する期間。
だがそれとは対照的に、彼女にとっては地獄のような一週間である。
成績不良者はGW中学校に呼び出され、課題であるプリントを解かなければいけないのだ。
黒板には『Then, you who are!Have time a good Golden Week!(じゃーな、お前ら!良いゴールデンウィーク過ごせよ!)』の無責任な先生の文字。
何故か無駄に英語なのが腹立つ。
教えてくれる大人もろくにいないのに解けなんて、無理だ。
「春亜ちゃーん……早く終わらせようよー……私溶けちゃうぅ……」
春亜の同情でついてきた桧原 夏音(ひのはら なつね)も、さすがに退屈している。
ちなみに夏音は成績不良者ではないのに、春亜に寂しいからと無理矢理連れてこられただけである。
成績は中間くらいの彼女の机は、採点済みで丸だらけのプリントが乗っている。
「そーだそーだーそんで終わらして俺に写させろー」
隣の席に座る刈田 秋徳(かりた あきのり)も便乗して茶化すが、彼も春亜とどっこいどっこいな成績だ。
今回も所属してる野球部の活動を言い訳にし続けた結果、補習となった典型的な馬鹿男子である。