サザナミ少年少女探偵団Ⅱ
「秋徳は自力でやりなよ!!」
春亜がぶん投げた小型の鉛筆削りが秋徳の脳天にコーン!とヒットする。
「いってーな!!試合出られなくなったらどーすんだよ!!」
「野球に頭は関係ないでしょ!!ヘディングするサッカーじゃあるまいし!!」
「ハイハイ、二人共まだ頭が動くうちに問題解こうかー」
「「……」」
夏音が鞄からナックルダスターを取り出すと同時に、二人は喧嘩をやめた。
なぜ小学生がそんなものを持ってるのかは、聞かないでおこう。
「……問題と言えばさー」
プリントに向き直ってから五秒。
光の速さで早速飽き始めた秋徳が口を開いた。
早く帰りたいあまり眼光が光る夏音が黙れとばかりに睨みつける。
「秋徳くん?」
「いや、違う違う!夏音、言い訳させてくれ!ちょっと気になる事あって集中出来ねーんだよ!!」
「何、気になる事って?」
春亜の好奇心レーダーが過敏に反応する。
夏音が静止の手を出そうとするのより先に、春亜は秋徳の机に齧り付いていた。
秋徳はしめたとばかりに親指を立てる。