サザナミ少年少女探偵団Ⅱ
「よく聞いてくれた、春亜!なぁ夏音、ちょっと説明するくらいなら良いだろ?」
「……それでプリント終わらせられるなら」
渋々ながら、夏音は了承した。
「っしゃ!」
秋徳と春亜はハイタッチした。
これでしばらくプリントを解かなくてもいい!
「で?早く聞かせてよ、あたしも気になってしょうがないんだけど!」
「おう、俺の知り合いがボーイスカウトに入ってんだけど、そこでの話なんだ―――」
☆
「季ーー希ーー!!!」
チャイムをギンゴンギンゴンギンゴンギンゴンとつつくように高速で押す春亜に呆れつつ、季希は玄関から出た。
潰れたゴキブリでも見るような、見るからに苦々しい顔。端麗な顔が台無しだ。
「何?うるさいよ。ていうか、今日は補習じゃなかったの?」
「気になる事があって、マッハで終わらせてきた!」
夏音の監視の元、秋徳と協力しあってだがどうにか一週間分全部を終わらせられた。