サザナミ少年少女探偵団Ⅱ
ランラランララーン♪と歌いながらカルガモの雛みたいなちびっ子がてくてく歩いていくのを想像すると、なんだか可愛く思えてきた。
ふむふむ、と春亜は首を小さく縦に振る。
「参加人数は男女七人ずつの十四人。+引率の隊長やベンチャースカウトのお兄さんお姉さんが数人いたらしい」
「そこまでだと、普通の話に聞こえるけど……何が気になるの?」
「よく聞いてくれたな、春亜!ここからなんだよ。怖えのは」
秋徳の引きつった笑みに、夏音が姿勢を正した。
「トイレ休憩とか、誰かがチョロチョロどっか行っちゃったりしないように、細かく人数確認したらしい。けど……人数が変わってたんだってよ、何回も増えたり減ったり!!」
「ぴぇっ」
夏音が小さく悲鳴を上げた。
迷子になって人数が減るのは分かるが、増えるとなると少し怖い。
「うっわー、オカルトだねぇ。それからどうなったの?」
「いや、そこまでは俺も分かんねー。けどなんでこんな事件、起こったんだろーな」
「事件……」
ピンと頭に思い浮かぶ顔があった。
艶やかな黒髪、黒真珠みたいな瞳、華奢で白い人形のような手足のボクっ娘。
脳内のイメージのはずなのに『何?ボクに用なの?』と不満げな声が聞こえてくる。
「そうだ!季希に解いてもらおうよ!」