溺愛警報
だから、彼氏が欲しいってわけでもないけど
少し憧れたりする。
手を繋いだり、ハグしたり、キスしたり、
漫画の読みすぎなのかもしれないけど、
私だってしてみたいって思う…。
変態だったりするのかな?
漫画を読んでは彼氏をイメージして妄想している時点でヤバイやつかもしれない。
「だから私、佐伯先輩と付き合います。」
「…は?ふざけんな!よりによって隼人とか絶対に許さないからな。」
「楓〜、負け惜しみは良くないよ?
それに汐ちゃんが誰と恋人になろうが楓にはカンケイないでしょ?
汐ちゃんの自由なんだよ。」
やっぱり佐伯先輩は良い人。
…ただ、正論を言っているだけなんだけど。
でも、私はこれで自由。
ふう君もこれで私なんかの面倒を見なくてもいい。私がいたら駄目になっちゃう。
「…オレ、先帰るわ。」
呆れたように渚が出て行ってしまった。
それに少し怒っていた。
「あーぁ、渚は諦めたのかな?
…おもしろくないな〜。」
「チッ。隼人、おまえ覚えておけよ?」
声的に結構キレ気味のふう君。
舌打ちなんて滅多にしないのに…、
「ということで、汐ちゃん今日から改めてよろしくね。」