溺愛警報


陽には1年前から彼女がいるがこいつの初恋は確実に汐だ。


その彼女さんと付き合う前日に、『僕は先に退散するよ。』と言ってきて次の日になった時に『彼女できた。』と言ってきた。



叶わない恋はさっさと退散した方が気が楽だよとか言っていた。



「かなりムカつく。オレ先にシャワー浴びてくるから。」



そう言って食器を流し台に置いて洗面所の方に行った。



「渚君も楓君もかなり参ってるね。…というより焦っているよね。

んで、どうすんの?」



正直どうしたらいいのかわからない。

あいつが幸せなら…、と望む自分もいれば
絶対に譲りたくない、という自分もいる。



「わからないって顔してるけどさ、楓君も汐ちゃんだけじゃなくて他の子も視野に入れてみたらどうなの?

…女の子は汐ちゃんだけじゃないよ。」



グサリと突き刺さる陽の言葉。

陽は俺のハートをボロボロにする天才なのかもしれない。



「…考えてみる。」


「じゃあ、僕は汐ちゃん家に行ってくる。」



今衝撃発言が聞こえた。
彼女がいてながら浮気か?!



「…はっ?!待て何しに行く?」


「参考書借りに行くだけ。それと汐ちゃんのお母さんがクッキー焼いたから貰いに行く。

なに、僕が浮気すると思った?

まったく、稚拙な考えはやめてほしいよ。」


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