溺愛警報
世間的には、アシメというけど
これは絶対に切りすぎ。
また、幼馴染み達に『童顔』とか言って笑われそうな気がする。
((ガチャン))と玄関ドアの開く音がして、ドタドタと廊下を走る音が聞こえる。
そして、私のいる洗面所に顔を覗かせる幼馴染のうちの1人目。
「ちょっ、えぇっ?!おばさんの言う通り汐が早起きしてる…、
明日、台風でもくるんじゃないの?」
と、失礼な発言をするのは高校3年生の霧原 楓(キリハラ カエデ)
家が隣同士で3兄妹の長男。
私はふう君と呼んでいる。
理由は簡単
楓という文字は“ふう”とも読むから。
「もー、ふう君!私だって今日から女子高生だもん!」
「そうか〜、もう汐も高校生か。
…ってことは、渚(ナギサ)も高校生なのか。」
渚っていうのは霧原家の次男で私と同い年。
「おじさんみたいなこと言わないの!
それより、渚はいないの?」
「…ん?
ふゎぁぁ〜、、まだ寝てるんじゃないの?」
と、呑気に欠伸をしながら答える兄。
心の中で起こしてあげなよ、とツッコミをしてしまう私。
「それよりさ、汐?
スカート短すぎる、膝まで短くして。
あと、メイクとか汐には早すぎだから。」
「そんなのふう君に関係ないもん!」