溺愛警報
「参考書なら渚が俺の持ってるだろ。」
「渚君のあの部屋から探せって言うわけ?
無理に決まってるでしょ?馬鹿なの?」
末っ子から馬鹿呼ばわりされると思わなかった。それも稚拙ってさっき言われた。
俺は幼稚か?
そういえば、渚の部屋は汚かったよな。
服散らかしっぱなしの漫画やゲームで床が見えていなかった記憶がある。
最後に入ったのは半年前ぐらいか?
「じゃあ、僕行ってくるから渚君が風呂上がったら楓君も入っちゃって」
そう言って陽は隣の家に行ってしまった。
正直な気持ち、俺が行きたかった。
けど、今、汐に会ったら色々とやばい。
多分、気持ちが収まらなくなってやらかしてしまいそうで怖い。
「あれ、陽は?」
シャワーを浴び終わった渚は地味にカッコイイと思う。(変な意味じゃないからな)
俺だって認めるほどのイケメンだ。
ただ、渚は残念ボーイなだけ。
勉強や運動は出来るに整理整頓が出来ないという欠点がある。
「陽なら、汐の家行った。」
「…は?なんで。」
「参考書借りに行って、ついでにおばさんの手作りクッキー貰いに行った。」