溺愛警報
渚side





─── バンッ




部屋のドアを勢いよく閉めた。
それはただの八つ当たり。


物にあたっても意味がないことぐらいわかっているけどムカつく。



物心がついた時には隣に汐がいた。
同い年ということで保育所からずっと一緒。



保育所の頃から一緒に並んで帰っていた。


小学生の時もケンカすることもあったけどやっぱり一緒に帰ってた。(楓もいたけど。)


中学の頃はお互いに部活動で帰る時間がバラバラな時も一緒に帰った。(楓付きで。)



「あーっ!」



近くに置いてあった枕を投げた、

…瞬間、ドサッと大きな音を立て机の上に置いてあった本が崩れた。



「あー!…くそっ!」



何でこうも上手くいかないのか、
何で汐とも上手くいかないのか、


…恋って何なの。


オレの初恋こんな呆気なく終わっていいの?



あの時、どうしてムキになったのか。
過去のしたことに後悔した。



「…あー、オレってどうなるんだろ。」



汐以外の女なんて全く考えたこともない。
てか、オレの心が受け付けない。


多分、汐以外のやつは愛せない。



「…まじで汐のくせにムカつく。」



< 22 / 47 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop