溺愛警報
「関係ない?…そんなわけないだろ?
汐は俺の可愛い妹なんだから。」
「もー、また子ども扱い?
私だってもうすぐ16歳になるんだよ?」
「俺に比べたらまだまだチビちゃんだよ。」
本当にふう君ムカつく、
私にとってもふう君は家族的な存在で
お兄ちゃん的存在だと思う。
でも、確かに私はまだまだチビなんだ。
「てか、ネクタイしてないじゃん。」
「…」
「どうせ、汐のことだからネクタイ結べないんでしょ?
ほら、俺がやってあげるから貸して。」
手際よく、
ふう君がネクタイを結んでくれた。
「汐は本当に昔から不器用なんだから。」
言い返せないのが本当に辛い。
いつも、ふう君に教えて貰ってばかり。
私だって、やろうと思えばできるもん!(練習すれば多分できるはず…。)
「2人共ーー、そろそろ出ないと汐ちゃんは入学早々やばいんじゃないの?
今、渚君走って行ったわよ?」
スマホのディスプレイをみると8時前。
余裕もって用意したのに、
どうしていつもこうなるのーーー!!
「汐、急げ!」
「…ちょっ、ふう君走るの速いよ!」
私はそこまで運動神経良くないから
走ることは辛すぎる。