溺愛警報
「おい、逢坂と霧原は先生が来てることしってるのか〜?」
と、いう声が聞こえて前を見ると
担任らしき人物がいた。
…って、この人いつからいたの。
「…す、すいません。」
「ま、仲良いのは良いことだけど…、って待て、おまえよく見たら霧原楓の弟か。」
「そうっすけど、何か。」
うんうん、やっぱりふう君と渚は目元の辺りとか似てるよね。
「おまえ霧原兄に似てるな〜、性格は真逆みたいだけど。」
お、この先生よくお分かりで!
ふう君と渚は性格がまるで反対。
ふう君は誰にでも優しくがモットー的な。
それに対して、
渚は面倒くさそうなやつは全員関わってくるな、的な感じですね。
「ま、その話は今度にして。9時から入学式だからそれまでに体育館前集合な。」
連絡事項を伝え終わったみたいで
教室を出て行った。
「もー、渚のせいで怒られたじゃん。」
「は?オレのせいにすんな。」
「渚も同犯人だからね?」
「なになに、渚初日から何かやらかした?」
そんな声が聞こえてきた。
うん、毎日聞いてるからこの声の主が分からないはずがないよね。
「何で3年の楓がここにいる。」
「んー?汐が無事に辿り着いたかなーって思って優しい俺が見に来た。」
「…うぜぇ。」