溺愛警報
****




そんなこんなで、入学式の時間が迫っていたために3人揃って体育館へ向かった。



「さっさと楓は3年のところに帰れ。」


「兄貴に向かって相変わらず口が悪いな?俺、そんな弟に育てたおぼえないよ?」


「ほざけ。」



やばい、相変わらずこの2人は険悪な雰囲気。
うん、中学ぐらいから仲悪くなったよね。


未だに原因は謎だけど。



「霧原弟いるか〜?

…って、兄貴付きじゃん。

楓もついでだから言うけどおまえ達2人は新入生代表と在校生代表だからな?」



と、担任の声が聞こえてきた。
霧原弟、って他の言い方ないの?


…ん?あと代表という言葉が聞こえた。



「えっ、渚って入試トップなの?!」


「…ま、あれぐらい弟にトップとってもらわないと俺の顔に泥がつくからね。」



ふう君がそう挑発した。
この2人、仲良いのか悪いのかわからないね。



「あー、ザンネンだわ。
楓に大量の泥を塗ってやれば良かった。」


「でも、ま?理数の点数は汐の方が上だったみたいだけどね。」



はい、実は私は理系女子です。
今時珍しい、リケジョなのです。


そこだけは胸を張って自慢できます!



「フッ、英語と現国と古典は赤点ギリギリのくせに。」


「そうそう、汐はそこが残念女子だよ。」



あの…、、ですね
だんだんと私の悪口に変わってません?



「オレの中の女子の理想図って基本的に文系なんだけど…?」


「あのね、渚?勝手に理想押し付けないでくれないかな?」


< 8 / 47 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop