私の二人の神様へ
驚いたけど、いつも以上に情熱的に求められているようで嬉しくて、ねだるように彼の頭を抱える。
一端唇が離され、またすぐに角度を変え、何度も塞がれた。
そんなことを繰り返していると、もやがかかって力が抜けて、頭がぼ~っとする。
息苦しくも、心地良い感覚に身を委ねる。
だが、突然の違う感覚に、心地良さが一瞬で消えた。
ブラウス越しに胸を触られた。
気のせいじゃない、何度も撫でるように触られている。
いつもキスで頭が真っ白になるけど、今は頭の中が真っ黒になって、何が何だかわからなくなる。
そして、いつの間にかスカートからブラウスの裾が引っ張り出されていて、彼の手が素肌越しにウエストを撫でた。
そこでようやく、頭が動き出し、いや、恐怖心が働いて。
榊田君を引き剥がそうと肩に手を置き、力いっぱい押し戻そうとするが、びくともしない。
こんなにも力の差があることに、恐怖心が増大した。
喋ろうにも口は一呼吸する間もなく榊田君に塞がれるし、力がどんどん抜けていく。
そのうちに彼は背中をゆっくりと撫で上げて、とうとうホックに手をかけた。
その瞬間、恐怖心が爆発して榊田君の唇を噛んだ。
彼の呻き声と一緒に腕も解かれ、慌てて突き飛ばし、後ずさる。
けれど、恐怖で体中が震えてさほど距離は離れなかった。
榊田君は口を手の甲で拭いながら、バツの悪そうな顔で私を見る。