私の二人の神様へ





「あ、あの。わ、わ、わた、」



 頭が混乱していた。


 恐怖と羞恥で心がかき乱されて、涙が溢れた。


 慌てて、膝を抱えて顔を埋める。


 もう、わけがわからない。


 身体の震えは驚きからだろうか?


 それとも恐怖からだろうか?


 何にもわからなかった。
















「……水野。悪かった」



 榊田君の手が伸びてきたことを感じ取って、その手を振り払い、その拍子に彼の頬を叩いてしまった。


 彼の驚いた表情を見たのと、自分のしでかしたことの重大さを認識したのはほぼ同時。



「……ご、ごめんな、さい。き、気が……」



 動転して、と言葉が続かなかった。


 もう本当に自分のしでかしたことが情けなく、申し訳なく、泣いてしまいたかった。


 榊田君はただ私に上着をかけてくれようとしただけなのに。


 彼はぱさりと先ほどより小さく丸まった私の頭から上着をかけた。



「オレンジジュース持ってくる」



 部屋のドアが閉まると同時に、上着をぐいっ、と引っ張り身体をできるだけ隠した。


 穴があったら入りたい。


 もう本当に自分が情けなかった。












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