私の二人の神様へ
「ご、ごめんなさい。つまりは明美さんにとっては二人とも可愛い弟と妹ってことを言いたかっただけなの」
手をひらひらさせながら、必死の弁明。
「本当に二人は仲良しだな。いや、結構なことだ」
天晴れ、と扇子を広げる仕草をして陽気に笑うお姉さん。
何だか、やっぱり榊田君とは似てない。
確かに、この非の打ち所のない彫刻のような容姿は榊田君も美玖ちゃんも同じ。
でも三人の顔も性格も似てない。
それに、お姉さんの雰囲気は仁くんと被る。
榊田君が仁くんと似ていると感じたのは本質的な部分。
でも、明美さんは違う。
笑い方だろうか?
私に微笑む感じが似ている。
だから、榊田君は仁くんに苦手意識を感じるのだろうか?
そして、私はこうも明美さんに惹かれるのだろうか?
「どうした?私の顔に何かついてるか?」
思考にふけったまま、お姉さんの顔をじっと見つめていたことに気づいた。
「ごめんなさい。何だか、三人とも似てないな、って思って」
仁くんの名前を出せば、榊田君の機嫌をさらに損ねるのは確実。
私だって学習するのだ。
私は鳥じゃない!
「そうなの。まったく似てないから、明美姉とお兄ちゃんが一緒に歩いてると恋人と勘違いされるんだよ」
二人が隣り合った姿を想像する。
何だか、大人な雰囲気で確かにお似合いなカップルだ。
「そうだった。この間も勘違いされて、街で見かけた恋人特集の写真を撮らせて欲しいと言われた」
お姉さんは榊田君とは対照的に満更でもなさそう。
「美玖ちゃんとも、恋人に間違われたりするでしょ?」
きっと、歳には似合わない落ち着いたカップルに見られているはずだ。
「まさか!私とお兄ちゃんは一緒に歩いたりしないから」
この三人が上手くやっているのはお姉さんのおかげか。
二人の仲をお姉さんが取り持っている感じがする。
三人とも似てない。
性格も顔立ちも。
だけど、