私の二人の神様へ
「だけど、目というか、瞳は似てますね」
「瞳?そうか?」
お姉さんは首を傾げる。
「はい。だから、明美さんに見つめられると榊田君に見つめられているようですごくドキドキして、顔が熱くなります」
引きずり込まれそうになる。
どんどん夢中にさせてしまう、漆黒の瞳だ。
黒く、濡れているその瞳を見ていると、ずっと、ずっと離れたくないと思う。
そんなことを思っていると、呆れたようなため息が隣から聞こえた。
隣を見ると、やっぱり呆れ顔の榊田君。
「俊!聞いたか!?」
「聞いた」
榊田君は首筋を掻きながら、うんざりとお姉さんの質問に答えた。
「良かったな!お前に見つめられるとドキドキするそうだ。まさしく、お前に惚れこんでる証だ!」
お姉さんは拳を胸の前で握り、歓喜に震えていた。
そして、その発言を聞いて自分の発言の恥ずかしさを自覚する私。
慌てて、首と手を振り弁明を試みた。
「いえ!あの!違くて!私は三人の目がとても綺麗と言いますか、魅力的で惹かれると言いたかったわけで」
私の弁明なんて無視して、三者三様だ。