私の二人の神様へ
それでも、太陽は昇り、新たな一日がはじまる。
一日経てば、何を昨日は泣いていたのかと思ってしまう。
きっと、それくらいには仁くんのことを吹っ切れているのだろう。
いつも通り、友達と笑い合いながら、勉学に励み、榊田君と一緒に夕食を取る。
幸いだ。
本当にこれが私の幸いだ。
仁くんが私の全てだと思っていたけど、それだけではないのだ。
仁くんしか見ていなかった頃とは違う、周りが少し見えてきたように思う。
とは言っても、榊田君に不愉快な思いをさせてしまうことがまだあるようだ。
彼は、そう言うのをはっきり言ってくれるし、私の悪い部分を辛辣に言う。
少し前に共通の友人でもある朔ちゃんに言われた。
「あんたの無神経さは榊田があんたにベタ惚れだから許されてるだけ。あんたと付き合ってくれる奇特なやつは榊田しかいないわよ」
朔ちゃんも意外と辛辣だ。
きっと、私には榊田君がぴったりなのだと思う。
榊田君には他の女性がいても、私には彼しかいない。
私は彼のことが好きだ。
だけど、今のままで彼と付き合うことは私が許せない。
そんな煮え切らない私に朔ちゃん以上に榊田君が苛立っているようだけど、それについて彼は何も言わない。
私の気持ちを優先してくれる。
榊田君はモテるけど、他の女性に見向きもしないから私は安心して待たせていられた。