私の二人の神様へ
それは金曜日のことだった。
いつものごとく、榊田君に明日どこに行きたいかを尋ねられ、都心の雑貨屋と答えた。
色んな食器や雑貨を見たく、大きいところが良かったから。
土曜日は久しぶりのデート。
お互いに予定が入っていて、二人で会う時間がなかなか持てなかったのだ。
家を行き来している時は昼食だけとか、夕食だけでも一緒にしていたが、それがなくなるとお金のこともあって二人きりでいる時間はめっきり減った。
お昼過ぎに駅前で待ち合わせをして、都心を歩きまわった。
思った以上に安くて素敵なものが多く、人ごみの中来て良かった。
ただ……
やっぱり、榊田君と一緒に歩くと何人も女の子が振り返るし、ひどい子では写真まで撮る。
私が雑貨に夢中になって、榊田君から目を離すと女の子に囲まれていたりする。
仁くんと違って、彼の危険なところは、冗談でも笑えないことを平然と言ってしまうことだ。
少し愛想良くあしらうことを覚えないと働いた時に苦労するのは彼だから、私は鬱陶しがられながらも、注意をする。
とにかく、私の買い物が終わって、少し遅いお茶をするため可愛らしいオープンカフェに入った。
やっぱりデートではこういうところに入りたい。
季節的にもちょうど良い時期で、レンガ造りの花壇には花が咲いているし、ふんわりとした風とそれに揺られる木々が心地良い環境を作り出している。