私の二人の神様へ
「それでも血は繋がってない赤の他人で、男と女だ。どうして、お前はそういう分別がないんだ?おかしいぞ?」
「榊田君が小夜ちゃんの家で過ごすのは?二人とも友達でも赤の他人よね?」
「いつの話だよ?一年の頃だろ。お前に告白してから一度だって瀬戸の家で二人きりになったことはない」
「私はそんなこと頼んでもいないし、小夜ちゃんの家に今だって遊びに行って構わない。だから私のことにも口出ししないで」
きっぱりと強い口調で言い切ると、榊田君は完全な冷ややかさを纏った。
目をすっと細め、私を見据える。
「お前の価値観はそうであっても、俺は違う。彼氏がいながら別の男を家にあげるなんていう節操のない女の良識を疑う」
榊田君は私と仁くんの関係を認めていないのがわかった。
佳苗さんはわかってくれて、認めてくれているのに。
信じてくれているのに。
榊田君は私を信じてない?
「榊田君は私のこと信じてないの?」
「議論を摩り替えんな。男を家にあげること事態がおかしいんだ」
「だから、仁くんは家族!!何度も言わせないでよ。私は広君だって二人きりで家にあげたことなんてないって知ってるでしょ!?」
彼はため息を吐いて、首筋を掻く。