私の二人の神様へ
どうして、この仕草は同じなのだろう?
仁くんも榊田君も私に呆れた時に取る仕草が。
「俺からすれば仁とお前も男と女。それにな、お前は彼氏である俺さえ家にあげないのに仁を家にあげるっていうことをおかしいとは思わないのか?」
彼の真っ直ぐな視線に思わずたじろぐ。
「家にあげないって、さ、榊田君が来なくなっただけでしょ?いつも行きたいとこ尋ねるのは榊田君だわ」
彼は私の揺らぐ視線を黒い瞳で見つめたまま聞き返す。
「俺が互いの家の行き来をやめた理由がわからないのか?」
わかってる。
あの雨の日の夜がきっかけなことぐらい。
榊田君の優しさだということぐらい。
でも。
「さ、さ、榊田君はこの間のことが気に食わないだけでしょ?それを理由に仁くんを家にあげるのがダメなんて、おかしい」
自分でも榊田君の言っていることが正しいとわかっているから、弱弱しくなってしまう。
それでも、私は仁くんとの食事を楽しみにしていて、諦めたくはない。
「お前はそこまで、仁を家に招待したいわけか?」
彼は私から視線をそらし、椅子にもたれかかった。
私は正直に頷く。
それから、しばらくの沈黙が続いた。
榊田君がテーブルに肘をつき、私を再び見たのがわかったけど、私は彼の顔を見ることができない。