私の二人の神様へ
仲直りの道は?
「小春ちゃん。一体、何をやったの?」
榊田君と喧嘩をして、十日目の火曜日。
授業がないから朔ちゃんと小夜ちゃんの家に泊まることになった。
私の手作りケーキと小夜ちゃんのお手製ティラミスで優雅なお茶会。
私の気分はあいにく優雅ではなかったけど。
「見てればわかるでしょ?榊田君を怒らせちゃった」
みんなで食べる昼ご飯にも姿を現さないし。
榊田君の家に行っても居留守を使われ、学部に行っても無視され、アルバイト先でも道場でも無視され、もうお手上げだった。
おまけに電話なんか、あからさまな拒否設定にされているし。
「それは誰だってわかる。どうすればあんなに怒らせることができるのかを聞きたいのよ」
「そう!小春ちゃんには甘い榊田君が、一週間以上小春ちゃんを無視するなんて異常よ」
「巷の噂では、小春。あんたが浮気をしたかららしいじゃない?」
そう。
榊田君が、徹底的に私を避けているからアルバイト先だとか友達に、浮気でもした~?とからかい続けられている。
この二人も例に漏れず。
みんな他人事だと思って。
「もう。二人ともからかわないで。事態は深刻なの!」
「榊田君があそこまで怒る理由って何なのか気になって仕方がないの。しかも、榊田君が一方的に怒ってるパターンだしね」
小夜ちゃんはおかしそうに笑い、私の顔を覗き込んだ。