私の二人の神様へ
「そんなのわかるわよ。小春は見ての通りウブだし、榊田は小春に甘いから手を出せない」
「それに二人の空気?って言うのかな?親密な仲が醸し出す空気とは違うしね」
この二人の鋭さを少しは分けて欲しい。
というより、不必要に鋭い気がするのは私だけだろうか。
「……う~。ほ、本当に二人とも意地悪!!」
「そう怒らないで。榊田君がこのままじゃ、小春ちゃんに恋焦がれて死にそうだから、つい」
「小春。いずれは通る道なんだから、観念して、さっさと榊田のものになんなさい」
何だか、二人はいつも榊田君の味方だ。
いつも私の味方をしてくれる広君はいないし。
「……二人とも榊田君贔屓だね。これも榊田君の魔性の力?」
「その力で、他の女の子誑かしちゃうかもよ?榊田君なら男の子でも誑かせちゃうけど」
「もう、焦らされ過ぎて浮気してたりして」
二人してニヤリと笑った。
本当に性格が悪い。
私が悩んでいるのに面白がるなんて!
「榊田君は浮気なんてしないも~ん!」
そう言って、ケーキを口に放り込んだら、自惚れ、と両頬を二人に引っ張られた。