私の二人の神様へ





「そんなのわかるわよ。小春は見ての通りウブだし、榊田は小春に甘いから手を出せない」



「それに二人の空気?って言うのかな?親密な仲が醸し出す空気とは違うしね」



 この二人の鋭さを少しは分けて欲しい。


 というより、不必要に鋭い気がするのは私だけだろうか。



「……う~。ほ、本当に二人とも意地悪!!」



「そう怒らないで。榊田君がこのままじゃ、小春ちゃんに恋焦がれて死にそうだから、つい」



「小春。いずれは通る道なんだから、観念して、さっさと榊田のものになんなさい」



 何だか、二人はいつも榊田君の味方だ。


 いつも私の味方をしてくれる広君はいないし。



「……二人とも榊田君贔屓だね。これも榊田君の魔性の力?」



「その力で、他の女の子誑かしちゃうかもよ?榊田君なら男の子でも誑かせちゃうけど」



「もう、焦らされ過ぎて浮気してたりして」



 二人してニヤリと笑った。


 本当に性格が悪い。


 私が悩んでいるのに面白がるなんて!



「榊田君は浮気なんてしないも~ん!」



 そう言って、ケーキを口に放り込んだら、自惚れ、と両頬を二人に引っ張られた。












< 141 / 208 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop