私の二人の神様へ
喧嘩をしてから十日が経ち。
そしてあっという間に仁くんとの約束が明日に迫っている。
今日で喧嘩からちょうど二週間。
仁くんとの食事は土日のどちらかと思っていたが、土曜日は仕事が立て込んでいて夜でも無理だから日曜日が良いと仁くんから連絡が来た。
おかげで猶予が一日伸びた。
こんな状態で、仁くんを招いたらマズいことぐらい私にもわかってる。
それでも二週間もあれば、榊田君が機嫌を直してくれて、食事くらい許してくれるだろうという甘い期待をして、仁くんには何も言わなかった。
だが、その期待は今のところ期待のまま現実とはなっていない。
早く仁くんに、会えないと伝えなければいけないのに、やっぱり明日こそは榊田君が許してくれると思い続け、とうとう明後日。
土曜日は大学もアルバイトもないから榊田君に会えないし、今日は広君と映画の試写会の約束があるから確実に望みは消えた。
それでも、往生際の悪い私は広君ならどうにかしてくれるのかもしれないと、仁くんへの連絡を入れていない。
広君になら榊田君は何か話しているかもしれないし、広君は榊田君のことを良くわかっているから彼の怒りを解く方法を伝授してくれるかもと、ない望みを繋いだ。