私の二人の神様へ
「そんなに大事?しなくちゃダメなもの?」
「俊は男だよ?小春ちゃんといたら欲しくなるのは当然だよ」
「でも、榊田君ってそういうの興味なさそうだったから、私考えたことなくて」
その発言に広君は苦笑した。
「まさか、興味ないなんてありえない。どうしてそんな風に思うの?」
「榊田君って理性的でストイックだし、お姉さんのお友達や紗希さんの時だって」
「俊は据え膳が頻繁でそういうのに胸焼けしてるんだよ。憎たらしい話だけど。それに二人には決定的に欠けてるものがある」
二人とも、顔良し、スタイル良し、の大人な美女だったけど、欠けているもの?
「小春ちゃんじゃないってことだよ。俊は他に興味がない分、小春ちゃんにはより一層興味がある。それに付き合ってからもう半年以上経つよね?」
「七ヶ月過ぎた」
「交際期間が十分、時間も場所も限りなくある。それに俊は一年の頃から小春ちゃんのことが好きだったんだよ?もう卒業まで半年。これはあまりに酷だよ」
榊田君に同情するような表情をする広君。
普段、私の味方をする広君が榊田君の肩を持つということは、相当私は榊田君を不幸せにしているのだろう。