私の二人の神様へ
この前とは違って、私の手は振り払われなかったし、私を見る目には冷ややかさはなく優しい目をしていた。
彼のクールさを際立たせる目を優しいなんて表現するのはおかしいけど、私には温もりを感じる優しい目だ。
「どうした?」
視線が絡み合って、ドキドキして、あんなに見たかったのに、恥ずかしくて顔を俯かせた。
榊田君が覗き込もうとするから、軽く頭を振り、心を落ち着かせる。
そして彼の手をいったん離し、両手で再び握りしめて、口を開く。
「……男の人として好きなのは榊田君だけ。ちゃんと榊田君のこと好きだから。本当よ?好きなのは榊田君だけ」
榊田君はいきなりの私の告白に少し驚いたようだったけど、すぐにいつもの榊田君になって、空いている手で私の頭を優しく小突いた。
「当たり前だ。誰もそんなこと疑ってねぇ」
「うん。でも、すごく好きで、伝えたくなっちゃったの」
彼の手を解いて、そのまま抱きついた。
すると、榊田君も抱きしめ返してくれて私の頭を撫でてくれる。
ドキドキするのに心地良くて、ずっとこうしていたい。
こうして、彼に抱きしめられていると、すごく安心できて、これ以上ないほど幸せで。