私の二人の神様へ
迷うことはない
食事の支度を始める。
アシスタントは仁くんと榊田君。
私としては一人もしくはどちらともに部屋に引っ込んでいて欲しかったが、反省しているようだからとアシスタントに任命した。
だが、それも数分で後悔することになる。
「本当にお前は性悪だな。毒薬を盛りたい気分になってくる。おい、水野。青酸カリとかないのか?」
「…………」
「俺も同じ気分だ。だが、お前の死体を小春の家に置くなんてマネはできないから我慢してるんだ」
「水野。それを心配してるなら安心しろ。廃棄物として、ちゃんと始末する」
「榊田の場合は燃えるごみに出さないとな。その陰険さが末代まで残ったら大変なことになる」
「仁。お前の性悪は燃やすことができない。正真正銘廃棄物の見本」
ここで私の寛大さも限界に達した。
仏の顔も三度まで。
私は仏じゃないから無理だ。
大きく息を吸い込む。
「二人ともいい加減にして!もう、あっち行っててよっ!!」
言い訳をしようと口を開く二人を問答無用でドアの向こうへと押しやった。
これで集中してできる。
本当に、二人は仲が悪い。
二人がそろうと子供を持つ母親のような気分だ。
あいにく、子供のような無邪気さがない二人だけど。
きっと、あの二人は同族嫌悪。
何でも人より秀でているからこそ、自分と同等の能力を持つ人間が気に食わないに違いない。
二人して子供っぽさを自覚しているようだが、隠す気がまったくないから、延々と揚げ足取りをやっている。
何とかならないものかと、私は大きくため息をこぼした。