私の二人の神様へ
結局、振り回される
シャワーの音が聞こえてくる台所で私は夕食の片付けをしていた。
風呂に入ってくる、と言われていよいよかと思ったら、また無限ループ。
何で、トンカツなんて言ってしまったのだろうか。
しかも、たくさん食べてしまった。
絶対、ポッコリおなか。
だって、運動の後なのだからおなかが空くに決まっている。
でも、今日は我慢するべきだった。
というか、本当に今日?
本当の本当に!?
「そんなに何を熱心に洗ってんだ?」
水も滴る榊田君がひょいっと顔を出した。
「へっ!?さ、さ、榊田君!?お風呂は!?」
突然の出現がこれまたイヤミなほど色っぽくて、榊田君を反射的に突き飛ばした。
「……時計を見てみろよ。お前がノロノロ皿洗いしてただけだ」
「た、たまには念入りに洗わないと。わ、悪い?」
頭にかけていたタオルでわしゃわしゃと髪を拭きながら榊田君は私を蹴り飛ばした。
「お前に任せておくと光熱費がかかる。早く風呂にでも入れ」
「ちょっ……」
榊田君に台所を奪われ、所在ない私はお泊まりカバンを持ち込みお風呂に向かった。
私はお風呂が好きだ。
だけど昨日の夜から数え、三度目二時間の長風呂をするほど好きではない。
今は好き嫌い構わず入らなければならない。
本当にいよいよだ。
本当の本当に。
いい加減しつこいと思うかもしれないが、それはほっといて欲しい。