私の二人の神様へ
「な、な、何がわかってるよっ!!不釣り合いって言われて私が気にしてないとでも思ってる!?」
リモコンが当たらないならと、ベッドの枕を奪い取り榊田君の脳天目掛けて振り降ろしたが途中でもぎ取られた。
「す、少しでもお似合いね、って言われたくて、二人で歩く時、めいいっぱいおしゃれしてるのよっ!気付いてた!?」
「…………」
「ずっとキスしてくれなくて寂しかったんだから!!昨日のキスが六十七日ぶりだったんだからっ!」
ずっと、指折り数えてた。
いつキスしてくれるかな、ってずっとドキドキしてた。
「……数えてたのか?」
「そ、そうよ。私はどうせ女々しいわよっ!」
リモコンも枕もダメなら。
本棚から六法を取り出すと、榊田君は顔を強張らせた。
「水野!さすがにそれは。俺を殺す気か!?」
「そうよっ!!死んじゃえっ!腐れ頭っ!!!!」
「…………」
「わ、わた、私がどれだけ榊田君のことが好きかわかってないっ!……何よ、い、生贄って!!」
「……お前、俺に対して脅えてたじゃねぇか」
「こ、怖いわよ!はじめてなんだもん。仕方ないでしょっ!?」
ベッドから飛び降りた、いや、逃げ出した榊田君は私の目の前に立った。