私の二人の神様へ
「小春、何だか余裕そうだけど、今までの相手とはわけが違うわよ。榊田君と一緒にいる機会が多いみたいだし」
あの二人が一緒に歩けば、それはそれは目立つだろう。
さぞお似合いでしょうこと。
もう先ほどの負けた屈辱から皮肉な思考回路になっている。
「今回、二人で組んだからでしょ?それに私には関係ないことだもん。榊田君が決めること」
そうきっぱり言うと、みんなが眉をひそめ、ため息を吐いた。
「春ちゃん。少しは気にしてあげたら?榊田君が可哀想だよ」
「逆に、余計な詮索を入れられるほうが彼は嫌がるよ」
ヤキモチだとか、そういうのは彼にとって鬱陶しいものだろう。
「本当に榊田が哀れだわ。小春。あんた、男心がまったくわかってない!」
朔ちゃんは割り箸でビシッと私を指した。
「私が何言ったってどうにもならないでしょう?静観が一番」
肩をすくめ、カシスオレンジを一口飲む。
これはお酒っぽくなくて飲みやすいが、やけ酒の二日酔いを経験したことからお酒は二杯までと決めている。
「それはそうだけど。小春ちゃん、気をつけたほうが良いよ。何か仕掛けてくるかもしれないし」
確かに、それは感じた。
あの意味深で自信に満ちた笑みが非常に気になる。
だけど、何を仕掛けてくるかわからない以上私にはどうすることもできない。
とりあえず、道場で身体を鍛えることを忘れないようにしよう。