私の二人の神様へ
「だから、それは悪かった。つい八つ当たりをした。そんな風に思ったことは一度もない」
そう言って、私を抱き寄せようとするから、思いっきり暴れ、殴りかつ蹴り飛ばした。
「謝って済むなら警察はいらない!榊田君なんてもう知らないっ!」
榊田君の足を再度蹴飛ばして、私は布団に潜り込んだ。
もう穴があったら入りたい。
いや、榊田君を穴の中に入れて生き埋めにしてやりたい。
本当に私一人で騒いで、あたふたして、だからこそ彼の冷静さが悲しいし、悔しい。
「……水野。悪かった」
「出て行って」
鼻をすすりながらも冷たく言う。
「ここは俺の家だぞ」
「うるさい!少し経ったら出て行くわよっ!」
「本当に反省してる。だから機嫌直してくれ」
榊田君は布団を引っ張るが、布団にへばりついた私は動かない。
天の岩戸は堅いのだ。
榊田君が何度も私の名を呼び、布団を引っ張ったり、叩くが無視を決め込んだ。
生贄だとか、色気がないだとか、私みたいなのだとか、つまらないだとか。
あまりにひどい。
もう、わんわん泣きたい。
しばらくすると、私を宥めるのを諦めたのか声がしなくなった。
今度は私が無視をしてやる!とシーツをキツく握りしめていると、敷き布団が突如浮き上がった。